蟲ソムリエの実践

昆虫食ブログです。前ブログ「蟲ソムリエへの道」 http://mushikurotowa.cooklog.net の続き

フェモラータオオモモブトハムシのナッツタルト

まずはこのきらめきをご覧ください。

 


Femora tart yoko

 

「きらめく甲虫」

という本があります。

 

きらめく甲虫 (幻冬舎単行本)

きらめく甲虫 (幻冬舎単行本)

 

 

昆虫、とくに前バネの硬い「甲虫」と呼ばれる虫たちの中には

美しいきらめく体をもっているものがいます。

 

このフェモラータオオモモブトハムシもこの本に「コガネハムシ」の

名前で出ています

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美しいことに疑いはないのですが、

このハムシ、本来は日本にいません。日本の三重県に侵入しており

成虫はクズの葉を食べ、幼虫はクズのツルの中に虫こぶをつくって

成長することから、河川敷を中心に増えて、広がっています。

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原産は熱帯地域で、ダイズを食害したという報告もあることから

「害虫としての潜在性」はとても高く、専門家もかなり気にしているそうです。

 

輸送にはできれば茹でてから。

生きたままの移動はできるだけ避ける、という

特定外来種なみの注意のもとで管理したいものです。

飼うのも控えましょう。

 

さて、食用に関しては外来種ですから、それを採って食べたからといって、

在来の生態系に悪影響を及ぼすことはまずないです。安心して食べましょう。

味はカミキリムシに近く、虫こぶはカミキリムシよりも簡単に割れるので

食材としての潜在力は高いです。

 

蟲ソムリエへの道 フェモラータオオモモブトハムシを食べる会

蟲ソムリエへの道 高度に発達した料理は昆虫と区別がつかない

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茹でたらこんなかんじ。色はかわりません。

翅だけをとり、他は粉末にして

タルトのキャラメルに練り込みます。

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なんと、160℃で20分焼いた直後は緑になりました。

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そして、冷やすとなんともいえない美しい構造色へ。

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この構造色の美しさ、

写真でお伝えするのはとても難しいです。

というのも、視点を変えると光り方が変わる、という

ものは本来立体的にみるべきもので、なかなか平面の写真では

伝わりにくいのです。

 

先の「きらめく甲虫」は

右上から光が来た場合と、左下から光が来た場合の2つの光の条件を

同時に満たすというある意味「不自然」な配光をすることで、

左右対称の虫が、光と見る角度によってどうきらめくのか、

美しく示した写真集です。

 

簡単には真似出来ないのですが、

もう一つ、きらめきを表現する方法があったのを思い出しました。

それは伊丹昆虫館で開催していた「きらめく甲虫展」のこと。

 


円偏光フィルターで撮影した カブトハナムグリ Theodosia viridiaurata

 

円偏光フィルターをレンズの先につけて、ぐるぐる回してみました。

構造色は偏光を返す構造をしているので、偏光フィルターによって

それがフィルターされ、キラメキの様子がわかります。

 

そうか。このタルトも回せばいいんだ。

 

 

 

これですよ。

 

これによって、光の角度と視点がゆるやかにかわることで

きらめくタルトの様子がよく見えるはずです。

スマホの方はこちらでどうぞ。

 


Femora tart 縦型

 

ゆっくりと回ることで、画面奥で緑に見えていた翅が

手前にくるにつれて桃色に色づき、キラッときらめく様子がわかるかと思います。

 

美しい。

 

昆虫が「見た目」で敬遠される世の中ですが

「見映え」で食用として選ばれる未来が来るかもしれません。

 

タルトの中心部には、日本のヤマトタマムシも使っています。

こちらも負けず、美しいですね。円偏光フィルターで動画を撮影してみました。


Tamamushi (jewel beetle) Chrysochroa fulgidissima with circular PL filter